有料老人ホームの職員は、利用料を支払う利用者が安全で快適な生活を満喫できるよう最大限の配慮をしなければなりません。日中、健康管理や対話に力を注ぐだけでなく、夜間も居室を巡回し寝ている利用者に異常が無いかチェックすることも欠かせない業務です。ただし、利用者のプライバシー保護の観点から、スタッフが高齢者の私的空間に踏み込むことは、極力避けなければなりません。そこで、動体探知センサーや温度変化の探知機などのハイテク機器を設置して、利用者の安全を見守る有料老人ホームが増えてきました。
また、有料老人ホームでは、利用者の希望と要介護度に応じて適切な介護を行っています。要介護度が高く自力では生活することが難しい利用者に対しては、排せつや食事のほか、入浴や移乗などの身体介助が中心となるでしょう。天気のいい日には、車椅子に乗せて園庭を散策することもあります。そして、身体機能を回復するため、リハビリやマッサージを施すことも重要な業務です。歯磨きできない利用者には、口腔ケアも大切です。認知症が進まないよう、できる限り声かけを心がけて、コミュニケーションを図らなければなりません。
要支援者や軽度の要介護者に対しては、必要な身体介護のほか、軽い運動や趣味の時間を設けて利用者同士やスタッフとの交流の機会を増やすようにしています。利用者が好むゲームや歌を楽しむイベントを催し、レクレーション活動へ積極的に参加するよう促すことも重要な仕事と言えるでしょう。認知症予防のため、自力でできることは可能な限り利用者本人が自発的にできるよう誘導することも必要です。